図書館で借りて読んだ本がとてもおもしろくて、覚え書きです。
この本です。
要約すると、音楽を学ぶ際に耳から学習するのをスタートとするか、楽譜からスタートするか、ということを、様々な音楽文化や楽器の特徴からうまれている学習形態を何人かの著名な音楽家や作曲家の著書などから考察している内容です。
耳からか、楽譜からか、このことについて答えはないのですが、私もずっと考え続けていることなのですごく興味があります。
このことはどちらが良いのか、という問題でもなくて、まず学習する人の持っている素質も大きく影響されます。
私は完全に耳から学習するタイプで、大体そういう人は楽譜を読むのが得意ではありません。
ですが、本を読んですごく納得したのですが音との対話(どんな音を出すのか、出したいのかをいつも聴きながら弾くこと)をして、完成度を高めていくことができます。
不得意なのは新しい曲を楽譜を見て弾き進めることで、ちっともはかどりません。
暗譜は得意だけど、間違えて覚えこんでしまうこともしばしば。
一方楽譜を見て弾くことが得意な人は、学習効率がとても良いように感じます。
目で見た情報を素早く指に伝えて弾くことは、ソルフェージュなどを通して学ぶことができますが、得意な人からははじめから持っている素質のようなものを感じます。
昨日家に来たお友達でもあるピアノの先生は譜読みを
「思考力」
と言っていました。
それもまた納得。
譜読みの得意な人は、思考によって学習を進めるのが上手なんだと思います。
理想は、苦手とすることを補う形での学習を取り入れて耳と、譜読みとを両立させていくことでしょうか。バランスが大事かと思います。
本からもうひとつ。
「耳が開く」
という表現がとても心に残っています。
どれだけ楽譜をよく読み、技巧も持ち合わせて弾いていても、ただアクロバティックな残念なピアノ演奏になってしまう場合がある。と。
何かのきっかけで「耳」を開くことができれば、演奏はがらりとかわるようです。
私は声をだして歌うこと、連弾すること、他の楽器に触れてみること、などにヒントがあると思います。
思考力に直感力のようなものをプラスするには、経験を増やしていくことではないかな、と感じています。